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プロポーションというか雰囲気というか

プロポーションというか雰囲気というか_f0003829_19463989.jpg【大地の景色】、別の角度から見ると、こんな感じです。結構低く、不思議なプロポーションをしています。

僕たちが設計してきた住宅は比較的天井が高く、縦に長いプロポーションが多いのですが、【大地の景色】のこの角度は、これまでにないくらい低い。なぜなら、部屋が1/3以上、地中に埋まっているからです。目線の高さがちょうど地面あたりにくるようになっています。

天井を高くするのは、空気量が多い方が心地よい、椅子座りがベースになっている現代の生活に合わせると必然的に天井が高くなる、といった理由からです。従来の日本家屋(畳敷きの)で座ったときに目線から上にある空間と同じくらい、椅子座りの目線の上に空間をとろうとすると、椅子座の400mm分、天井が高くなるという理屈。つまり、日本家屋でも古い(明治期や大正期)いいものは、畳敷きでも天井高2500mmはあるので、プラス400mmで2900mmがミニマムな天井高さということになります。3000mmから3200mmあると、より心地いい。もちろん、高さと幅の比例:プロポーション関係が大切なんだけど。





プロポーションというか雰囲気というか_f0003829_1947664.jpgこちらは、先月の松本行きで立ち寄った「浮世絵博物館(篠原一男設計)」。内部空間の高さが心地よいサイズです。【大地の景色】とはまったく違うコンセプトで設計された建築ですが、コンセプトとは別の基本的なプロポーションはとても心地よい建築です。

写真をクリックして拡大してみると、エントランスに女性が一人、手前左に子供が一人いるのが見えると思います。この、人と建築のスケール感覚は、いいなー。

プロポーション、スケール、というと、建築言語のなかで使い古されている感があって、前面に出して問題視されにくい風潮にあるように思いますが、言及しなくてもベーシックな部分を担う大切な要素であるような気がします。特に「スケール」は、奥深くて面白いぞ。

[ben]
by ben_matsuno | 2009-10-19 10:00 | 考えたこと


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