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グリーンフィンガー

植物を育てる人たちの間で、特に育てるのがうまい人のことを
「『グリーンフィンガー』を持っている」というそうだ。

うちの庭も、よく植物が育つ。
南に面していてそこそこ日当たりが良いこと、
風通しが良いこと、
植物を入れる前に、農家の方からいただいた土を入れたこと、
などが主な理由だと思うが、
観葉植物のクワズイモが越冬して花を咲かせ実を付けるのは何故だろう。
ヒートアイランドのおかげで都心部の冬の気温が高いことも理由のひとつかもしれないが
ランドスケープデザイナーの友人は、うちを訪れてくれるたびに驚いている。

また、近くの園芸屋さんで枯れかかって売り物からはずされていた
「文福茶釜(学名:アデニア・グラウカ)」は
秋に葉が全部落ちてしまったが、そのまま少しずつ水を与えていたら
春には復活してきた。

鉢植えを枯らしてしまう人がよくいるそうだが
植物を育てることはそんなにむずかしいことではないと思う。
ポイントは、
「意識の総量を分散して配置すること」
なんだと思う。場所的にも時間的にも。
中央集権的に、一カ所に集中して意識を向けると、植物はだいたいうまくいかない。
ひとつの鉢に水を与えすぎたり、その逆に悪い環境下に放置してしまったりする。
常に(といっても、一日一回ほどでよいのだが)意識を向けて
その植物が置かれている状況に思いをはせる。
前にいつ水やりをしたか、寒い環境に置き去りにしていないか、
葉の調子はいいか、土は適度に湿っているか、湿ったままでないか、
鉢の下の水が溜まったままになっていないか、
それぞれの瞬間では、その鉢に意識の中心があるわけだから
小さな意識の中心をそれぞれの鉢に、分散配置することになる。

それを続けなければいけない。
続けるためには、適度に適当でなければいけない。
忘れてもいいのだけれど、忘れすぎてはいけない。
植物が元々置かれていた自然環境は、そんな風に動いているから、
それでうまくいく。
つまり、晴れの日が何日続いて、雨が何日降る、なんていうことが
厳密にコントロールされているわけではない。
適度に適当に、ある一定の範囲を上下しながら
環境は変化している。

僕たち動物の一日は、植物にとっては30分くらいしか経っていない計算
植物はそういうゆっくりとした時間の中を生きているから
多少の環境の変化は平均化して乗り切るだけの
恒常性/homeostasisを携えている。

翻って、
意識を分散させて、継続的にメンテナンスを入れていく感覚は
コミュニティ醸成や、地域活性化活動にも通じるところがあるのではないか。

以上は、趣味として植物に接している僕の個人的感覚なんだけど
もっと切実な農業の場合はどうなんだろう?
現代農業は、合理化、効率化が強く求められているのだろうか?


[ben]
by ben_matsuno | 2006-10-18 13:00 | 考えたこと


Natural LIFE, comfortable shelter.


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