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量をつくらない/.orgの理由

量をつくらない/.orgの理由_f0003829_12124924.jpgいまや、総世帯数よりも住宅の総戸数が上回っている時代です。もちろんひとり暮らしや単身赴任の方など、世帯としてはひとつでも複数の住戸を使っている方もいるので一概には言えませんが、住宅やマンションが飛ぶように売れる時代でないことはたしかです。つまり、住宅を量つくる社会段階は終わったのです。

金融に端を発する経済危機といわれ、知り合いが務めていた不動産会社や製作会社の倒産が相次いでいます。大局的には上に書いたような供給過多の構造があり、短期的には運転資金の供給が途絶えるということが原因なのでしょう。
とはいえ、時価総額が何兆円消えてなくなったとか、会社がなくなったからといって、人に属する能力が消えてなくなったわけではないので、皆それぞれに新しい場所を見つけたりつくったりしてポジティブに生きていけたらいいなと思う次第。

そんななかでも、うちのようなアトリエ(=零細)設計事務所に仕事を依頼してくださる方がいらっしゃるのはとてもありがたく思っています。こればっかりは、愚直にクラシカルなものづくりを信じていくしかないと、すでに自分で仕事を始めるときから覚悟を決めてあるので、細々とでも続けていきます。

師走に入り冬支度を始めています。写真は事務所で使っている「アラジン・ブルーフレーム・ストーブ」。僕が少年時代に実家で使い始めたモノで、何度目かの芯交換を昨日行い、現役で使われ続けています。おそらく、数が売れる商品ではなくなっていると思いますが、もう30年近く使っていて故障もなく、きちんと消耗部分を交換していけば使い続けられるモノはすばらしい。それにくらべるとコンピュータなんてアラジンの10倍近い価格なのに5年も経つと使い物にならないとは……。

量をつくらない、大量に作り続けなくてもだれもが幸せに暮らし続けられる仕組み、つまり、成長を前提としない社会構造が必要なのではないかと深く思います。建築設計もすでに量をつくらないことを前提にせざるを得なくなっているはずで、うちの事務所のドメイン、lifeandshelter.orgの「.org」は、そういう意味合いからつけたのでした。

[ben]
by ben_matsuno | 2008-12-04 22:43 | 考えたこと


Natural LIFE, comfortable shelter.


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