カテゴリ:published/掲載・放映( 25 )

「食と建築土木」(LIXIL出版)

「食と建築土木」著:後藤治・二村悟、写真:小野吉彦(LIXIL出版)にコラムを書かせて頂きました。

f0003829_14302435.jpg


本著は、農家や漁師さんたちが生業のために作った構築物(櫓、小屋、覆い、風除けなど)を、日本全国から集めた、希有で、楽しく、美しい本です。
著者のひとりである二村さんからいただいた「現代建築の文脈で何か一言書いてもらいたい」という要望を元に、「一次産業のための工作物」の魅力を解きほぐしてみました。

写真も綺麗ですし、随所に添えられた紙版画もかわいいです。

本屋さんには今週から並ぶ予定ですので、見かけたらぜひ手に取っていただければと思います。


Amazonで、初めて自分の名前が載っているのを目にしました。嬉しいものですね。
[ben]
by ben_matsuno | 2013-11-21 14:52 | published/掲載・放映

ノイズと対話する/「あたりまえ」を再構成する

f0003829_1394286.jpg

ほぼ2年ほど前から手がけていた本、「ノイズを設計する」(彰国社)ができ上がりました。
建築家、伊藤博之さん、川辺直哉さん、田井幹夫さんたちとの共著です。

それぞれの建築家の作品を4人で訪れ、その建築の面白さについて対話を繰り返してきました。建築にまつわる雑然としたものごとを、僕たち建築家がどのように建築にまとめていくのか、そのプロセス、ニュアンス、感覚が、4人の対話によって、目の前に晒されています。

書店、アマゾンなどでお手に取って頂けると幸いです。

冒頭のイントロ文章、少し長いですが下記に記します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
東日本大震災を経たいま、近代以前から綿々とつづいてきた、あたりまえの日常をもう一度捉え直してみたい。

雑然としたノイズを含む具体物。それは私たちの日常生活を生き生きとさせてくれる、ビタミンのようなものかもしれません。「あたりまえさ」に正面から真摯に向き合い、設計に組み込んでいくことによって、近代の先にある豊かさ、必然性を獲得できるのかもしれない。

そのような姿勢に共感する4人の建築家が数年に渡り、それぞれが設計した建築の現場に足を運び、対話を繰り返してきました。本書はその記録です。

近代社会、あるいは科学は、分析、つまり「分けて理解すること」を基礎としています。
渾然一体となった世界を二分し、いいものと悪いもの、使えるものと使えないものに分ける。本来は一体となって全体のつながりの中で生きていたものを、断片化した部分として、要素として、ラベル付けし、ファイリングする。それが科学的理解というものの本質です。

建築・都市においても同様に、寝る場所と食べる場所、住む場所と働く場所、仕上と構造、紫色と赤色、敷地の中と外、設計に取り入れるべきものと排除するべきものを分けてきました。敷地の中と外を分け、日常と非日常を分け、できるだけ扱う項目を減らし、周囲から分断された世界を構築する。従来の世界からの距離が遠ければ遠いほど良しとされる。それが近代建築が行ってきたことです。

しかし、建築がモダニズムの100年を経ても依然として、私たちの周囲には雑菌だらけの混濁した環境が広がっています。勝手に置かれた植木鉢、瓦屋根のイミテーション、安いサイディング、階高の違うビル群、統一されないファサード、暴力的に走る高速道路、スプロールする市街地、原色のネオンサイン、三面護岸された川、排気ガスに霞む山々。

私たちは、そういった「やるせないとされてきた世界」を愛したいと思います。そこに確かに存在するものが発する「声」を聴き取りたいと思うのです。それは小さな声かもしれないし、とりとめなく広い帯域に分散した雑音であるかもしれない。西洋音階による美しいメロディを奏でていないかもしれない。
それでも、実際に聞き耳を立ててみると、そこには確かに、空気の振動があり、音があり、豊かな倍音と固有のサウンドがあることがわかります。ノイズとして見捨てられてきたフィールドへ可聴域を広げ、ノイズを調律し、センサーの感度を上げて世界認識の解像度を上げてみると、設計のための広い沃野が広がっていることがわかります。

大きな身振りで驚かすのでもなく、純粋さを極めていくのでもない。あくまでも身の回りの具体物が発する文脈や感覚を積み上げていくこと。あたりまえのことをきちんと捉え直して、再校正すること。それによって本書に記されたような、いくつかの興味深い試みが実現されています。

みなさんが、身の回りのノイズと対話し、あたりまえを捉え直す方法の参考にしていただければと思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
刊行に合わせて、2013年7月20日から、外苑前のプリズミックギャラリーで展覧会も行います。
展覧会については、こちらをご覧下さい。

展覧会では、本書の内容の他、最新作の展示も行います。
みなさま、こぞってお越し下さい。
by ben_matsuno | 2013-06-30 13:31 | published/掲載・放映

建築ジャーナルで取材していただきました。【釜石市小白浜公営住宅】

f0003829_18505185.jpg

釜石市小白浜公営住宅の設計プロセスを、「建築ジャーナル」さんに取材していただきました。2013年6月号「地域の話題」のコーナーです。

建築ジャーナルの発行人・編集長である中村文美さん自ら取材しにきていただきました。

奥付のページにある「建築ジャーナルの編集方針」には、こうあります。
1・・・市民、利用者にとっての建築・都市への問いかけと批評
2・・・中央集権主義から地域主義へ。地方自治、市民自治による「まちづくり」をめざす
3・・・人間環境を大切にし、地球環境に負荷をかけない建築づくりをめざす
4・・・市民=公共のための設計業務・建築プロフェッションの確率をめざす

建築メディアの浮き沈みがあるなか、1978年の創刊から綿々と続けていらっしゃること、骨太の編集方針に対して、敬意を表します。取材していただいたこと、励みにします。

デジタルでも購読できるそうですので、皆様、ぜひご一読いただければと思います。

[ben]
by ben_matsuno | 2013-05-31 10:48 | published/掲載・放映

9坪ハウス_韓国語版

f0003829_17434098.jpg

9坪ハウスの本、韓国語版が出版されました。

僕たちが設計した「9坪ハウス/kinoco」も掲載されています。

近くの隣人たちとも、9坪ハウスのコンセプト、住まい方が共有されたようで嬉しいです。

思いがけない、クリスマスプレゼントでした。

f0003829_1744593.jpg

by ben_matsuno | 2012-12-25 17:45 | published/掲載・放映

ものづくりのチーム

f0003829_12335587.jpg


【kinoco/9坪ハウス】(2008年)【naname】(2009年)【多摩センターの住宅】(2010年)、そして昨年2011年は【千駄木の住宅】と、毎年、一作品というペースでおつきあいいただいている円徳建工の小澤さんが「SE構法」の冊子「SE105」に掲載されました。

僕とおつきあいいただける際には、僕は設計者、彼は施工者という立場として接するのですが、今回は、設計者+施工者として取り上げられています。
建築のポイントは、
・よりラーメン構造に近い「SE構法ver2」という新技術を使い、妻面方向の耐力壁をなくす。
・サッシの規格寸法に合わせて梁の位置を決め、梁に直接、サッシを取り付ける。
・内壁の仕上げパネルの割り付け寸法を無駄材のでないようにコントロールする。
など、設計と施工の間を行き来する小澤さんならではの観点が盛り込まれています。
構造だけではなく、仕上げ、納まりに関しても、細部まで考え尽くされている。

これを見て、今後の建設業者、特に中小規模の工務店とそこを支える人のあり方について、考えさせられました。
ひとつ。
施工者であれ、設計者の目線を常に自分の中に持つこと。
構造を工夫する、構造設計者と新しい工法のあり方や作り方について綿密にやり取りをすることは、良質な設計者であれば日常的に行っていることです。それを施工の立場と絡めて考えることは、設計者でできている人は少ないと思う。一方で、施工業者や現場監督で構造やパネルの割り付けについて、言及できる人もまた、少ない。下手をすると現場監督は、右のものを左に流す、設計者の(そしてクライアントの)言われた通りに(何も考えずに)発注する、下請け業者を手配するという業務で手一杯になっているひとがほとんどだと思う。
その中で、円徳建工の小澤さんのような立ち位置をとって、それこそリベロのようにフィールド内を走り回る体力と技術を持っている人物は希有だ。でも、その能力こそ、これからの工務店・ものづくりを支えるにあたって欠くことのできない資質である。

二つ目。
継続的なチームを作ること。
今回の冊子には表立って取り上げられていませんが、僕の設計を施工してくれる際に現場に来るメンバーはほぼ固定です。基礎・コンクリート・鉄筋・建て方の鳶、建て方から造作に至るまでを担う大工、給排水・電気などの設備系業者。これら工事を担当するメンバーが固定であることは、彼が担当する現場のクオリティに直結しています。
現場監督が手配師のようになってしまうと、現場が変わればその都度、異なる大工、業者との擦り合わせで疲弊してしまって、その先に本来作り手が発揮するべき工事の質ではないところ(金銭的交渉とか)に相当な労力が裂かれてしまう。もちろんそういった現場でも、工事の質自体は何らかのかたちでキープするのですが、そのために裂く現場監督、および僕ら設計者の作業量は、物理的にも精神的にも膨大になります。
【kinoco/9坪ハウス】【naname】を担当してくれた大工の佐藤親方は【千駄木の住宅】でも大工として腕を振るってくれました。また【多摩センターの住宅】でも作業が佳境の期間はヘルプとして来てくれる。【多摩センターの住宅】のメインを担当してくれた御村大工は、【千駄木の住宅】にもヘルプで来てくれました。今回の冊子で取り上げられた住宅の施主も、実はその大工です。
その点では、長野県の【大地の景色】を作ってくれた現場も似たような構成でした。こちらは松本の工務店で、工務店も、大工も、設備屋もすべて「二代目」であるという。親同士が仕事で(そしておそらく地域社会で)繋がっていて、それを見て育った二代目が、それぞれ家業を継いで、息子同士で仕事をしている。地域と人がそのように継続して繋がっている姿は、都市部から見るとうらやましい限りですが、都市なら都市でまた別の繋がり方、継続のさせ方があるのですね。

三つ目。
ものづくりを楽しむ心意気を持つこと。
小澤さんをはじめとして、大工の佐藤親方、御村大工、鳶の杉さんら、みんな、ものづくりが好きで好きでたまらないということを公言してはばからない。お金も少し好きだけれど、それ以上にモノのこととそれを扱う自分のことが好きなのだ。
そしてその好きな自分のベースには蓄積された専門性をしっかりと持っている。そのベースを元に、何を目指すかというと、モノの幸せであり人の幸せである。こんな言い方はしていないと思うけれど、僕なりに翻訳するとそういう表現になる。
「モノの幸せ」とは、モノが、無理なく合理的に設計やクライアントの意図に沿ってその場に定着されている姿のことです。
「人の幸せ」とは、そういったモノで構成される住宅によって、そこに住む人、使う人々の快適さ・心地よさ・嬉しさ・楽しさが生まれている状態のことです。

いやはや、そういうチームと一緒に仕事ができて、僕も嬉しいですよ。
チームの一員として動けることが、嬉しく、また楽しいのです。
一定の緊張関係でありながら、新しいチャレンジをしていきたいですね。


[ben]
by ben_matsuno | 2012-04-26 13:47 | published/掲載・放映

ザ・AZABU/中学生へ向けて

f0003829_11174659.jpg

「麻布地域の人々が取材・編集する地域情報紙」vol.19(2012年3月26日発行版)の「KIDS' ハローワーク」で、松野が受けた取材記事が掲載された。

このコーナーは、子供たちが世の中の仕事をしている人たちに直接取材をして、その仕事内容を聞く企画です。今回は、港区高陵中学校の一年生、新舎洸城君と鈴木滝也君が取材にきてくれた。聞き手は中学生だったけれど、いま僕が大学や専門学校で教えている内容とほぼ同じ内容を、できるだけ噛み砕いて伝えたつもり。なぜなら、中学生になっていれば(もしくは小学校高学年くらいになれば)大人とほぼ同じ理解力がついているはずだから。

取材を受けていて、自分がこの子たちのころはどうだっただろう?と想像しながら受け答えしていた。僕が中学一年生の頃は世の中の仕事なんてほとんど意識していなくて、ただただ目の前の日々のことに没頭していたことを、昨日のことのように思い出しながら。図工で先生に褒められたことが嬉しかったりとか、クラブ活動で日が暮れるまでサッカーボールを追いかけたりとか、授業ノートの端にひたすらいたずら書きを書き続けたりとか。

いまもまた、模型を作ったり、デザインをしてクライアントに褒められたり、日が暮れるまで現場で埃まみれになったり、手帳にスケッチを書き続けたり。それは、実は中学生時代にやっていたこととまったく同じことをしている。もちろん、ただ無邪気にいたずら書きをしていては仕事にならないので、手を動かしている動き自体はほぼ同じだけれど、その間に考えていることは飛躍的に多いけど。スケッチをする、図面を書く、模型を作る、ということは、その表面上の行為の裏側が大事で、「考える」ためにスケッチや図面を書き、模型を作る。漫然と描かれたスケッチは、漫然とした「処理」にしかならない。「問題を洗い出して」それを揺すぶったり飛躍させたり他の要素と結びつけたりして(つまりそれが「考える」ということ)、クライアントが喜ぶ結果を導きだせて初めて「仕事」と呼べるのでしょう。

「好きなことや得意なことを仕事にできていいね」という風に、当時の同級生からも言われることが多いけれど、それはまあ結果論であって、その都度の岐路で僕を導いてきたのは、外から手を差し伸べてくれる人たちだったのだと思う。塩ビで作った多面体立体を褒めてくれた美術の高木先生だったり、サッカーを指導してくださった板村先生だったり、厭世的な質問にも応えてくれた社会の成田先生だったり。そういえば高校の美術の寺田先生もそこそこ褒めてくれたなあ。

天職とか、自分探しとか、適職とかを模索しようとしている学生たちも多いと思うけれど、それは外から与えられるものなので、自分から探しにいくものではないと思う。そのときそのとき、一瞬一瞬を精一杯生きて、与えられた課題に対して、与えられた枠組み以上のもので応えていくこと。それを続けていくこと。その先に、結果がついてくる(こともある)。

自分が直接教えている学生を見ていると、この「結果がついてくる(こともある)」という、()括りの中の不確定要素がどうにも耐えられない人をよく見かける。直接言葉では言わないまでも「何が正しい答えですか?」「どうやったらそこに最短距離でたどり着けますか?」「そのためのコツは何ですか?」という雰囲気をぷんぷん醸し出している学生が多い。

大切なのは「いま(この演習内に、この講義期間内に、もしくは卒業するまでに)」得られる結果ではなくて、卒業後に自分たちが直面する問題に対する「考え方のプロセスの原型」や「考え方のスタイル」、もしくや「型」や「スタイル」になる前の下地づくり、運動に例えて言うならば、筋肉の柔軟性や関節の可動領域を広げておくこと、なんじゃないかと思う。

スキルやテクニックは後からでもいくらでも身につけることはできるけれど、基礎体力や柔軟性や障害に当たった後の回復力は、なかなか後から身につけられるものではないように思う。

取材のお礼にいただいた「麻布手ぬぐい」、大切に使わせていただきます。


[ben]
by ben_matsuno | 2012-04-11 12:06 | published/掲載・放映

【積層の景色】現代日本の建築家

f0003829_11261758.jpg

【積層の景色】が掲載された、日本建築家協会(JIA)の「現代日本の建築家:優秀建築選2009」が手元に届きました。

約32mm、500頁を超える書籍。
まだ道のりは長いですね。

[ben]
by ben_matsuno | 2010-06-11 11:31 | published/掲載・放映

三菱総研の総合未来読本

f0003829_17151577.jpg

「2030年の『住まう』を考える」編著:三菱総合研究所(MRIフロネシス03)が出版されました。

三菱総研の「フロネシス」は1冊1テーマの総合未来読本。年4回刊行。豊富な調査データに基づき、リアルな未来を探るシリーズ書籍です。
そのなかで、三菱総研の吉池基泰さんと相澤久美が対談しています。

対談内容のあらすじは?
by ben_matsuno | 2010-04-16 10:14 | published/掲載・放映

【foo】ミセス2010年5月号

f0003829_16383993.jpg

今月発売(すでに店頭に並んでいる?)のミセス(文化出版局)2010年5月号に、僕たちの事務所+住宅+オープンスペース【foo】と、相澤のインタビューが掲載されました。

「妻、娘から見た建築家の実験住宅」(監修・真壁智治さん/取材、文・田中元子さん)シリーズ17。

かなり、生々しい姿が写し撮られています。
んーー、リアルだ。
コンテンツは、掲載誌をご購入の上、ご一読ください。

んでも、竣工後8年経過。いまだに「実験住宅」と唱われてしまう、この日本の住宅事情の深化のなさよ。もうちょっと、あたりまえ、に「共有住宅」的なものが増えてくると思っていたんですが。現実は、鈍重でゆっくりとしか浸透していかないんですね。

オフィス+住居+ギャラリーをご所望の方、お待ちしてます。

[ben]
by ben_matsuno | 2010-04-13 16:42 | published/掲載・放映

【積層の景色】selected

f0003829_11575249.jpg【積層の景色】が、日本建築家協会優秀建築選2009および、日本建築学会作品選集2010に選定されました。

「現代日本の建築家 優秀建築選2009」、「日本建築学会 作品選集2010」に掲載予定です。

[ben]
by ben_matsuno | 2009-11-10 23:12 | published/掲載・放映


Natural LIFE, comfortable shelter.


by ben_matsuno

プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

シェア居住のすすめ
辺境的中心
作品
考えたこと
ヒトとのつながり
読書の時間
音楽と空間
技術・具体
コソダチの四面体
published/掲載・放映
news/お知らせ
gallery/ギャラリー
etc.

検索

以前の記事

2014年 03月
2013年 11月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 03月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
more...

ブログパーツ

人気ジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

建築・プロダクト
住まいとくらし

画像一覧