スケールと図像/近作訪問0701
『新建築住宅特集』2007年1月号近作訪問。
(2007年1月号『新建築住宅特集』株式会社新建築社より)
大きな構成が見える建築に惹かれる。
建築は小さな物質の集まりなのだが、それらが集合して建築として立ち現れたときに、単なる小さなモノの集まりを超えた、構成や意味を発生させるものであって欲しい。それは、雑多な物事がバラバラなまま集積している建築や都市に「ないもの」を求めるからかもしれない。
「大きな」というからにはそこにはスケールが関与している。ある一定のスケール、たとえば30Mの高さをもつ建築にとっての「大」と、5.6M角の平面にとっての「大」は異なる。
オフィスビルのカーテンウォールで横長連装窓が四周を巡っていてももはや誰も驚かないが、住宅規模の建築でガラスと木製の梁が四周を巡り積層されていると「お、何だ、これは?」となる。だからスケールとは数値的に相対的な物さしであることがわかる。
「輪の家」の「お、何だ?」の理由は三点ある。ひとつはガラス以外の腰壁やストライプ状の壁が構造力学に参加していること。ふたつめは横壁の高さ寸法がコントロールされ、生活諸機能に綿密にリンクされていること。もう一つは、横壁の位置とフロアの位置が必ずしも一致していないこと、つまりガラスと壁のストライプ状態が室内から認識でき、人が立つ位置とガラスの層が絶妙にずらされていることである。
本誌掲載誌面で上記のことはおおよそ予想がつき、だったら実際にその場に身を置いてみたい、と考えて今回の訪問となった。
(この続きは新建築『住宅特集』2007年1月号にて。)
※写真はTNAの武井誠さん撮影
by ben_matsuno
| 2006-12-19 01:50
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