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球面認識と平面認識

どうしてカメラで撮った画像は歪むのだろうと
前から気になっていた。

自分の目では、
とても高いビルも補正がなくても垂直に「見える」し
タイル割りの目地もきちんと水平垂直として「認識」できるのに
カメラを通した瞬間に歪むのだ。

そのうち自分の目の中に映る像を
内側からよくよく見てみたら
(たとえば自分が見ている像の中に、自分の鼻やまつげやまぶたの輪郭が映っていることと同時に)
像の形が、視点を動かすに従って変化していることに気がついた。

つまり、
人間の目は、水晶体というレンズを通して外の世界の光情報を取り入れるのは
カメラのレンズとそう変わらないが
光情報が一次像として映る網膜は「球面」なのだ。
カメラでは一次像が映るところは
フィルム面であったり、CMOS(もしくはCCD)センサーであり
それは今のところ「平面」である。

一旦球面に投影してから脳内で画像処理をする
人間の視覚認識システムに対して
カメラシステムは平面に投影したものを焼き付けるところに
人間の認識とのずれが発生している。
銀塩の乾板や、フィルムの製造の仕組みから言って
平面にならざるを得なかったから
仕方なく、歪みを補正するシフトレンズなどをつかって
何とか人間の認識している像に近づける工夫をしてきたわけだ。

でも
デジタルカメラだったら
センサーを球面にするとか、
平面センサーであってもデジタル処理で球面に再配置してから
画像データに変換するとか
そういう根本的な視覚に対する挑戦があっていいものだと思うけれど
いまだそういうものはこの世の中には存在していないみたいだ。

まだまだやることは一杯あるみたいだ。

[ben]
by ben_matsuno | 2006-12-21 13:04 | 考えたこと


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