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法の上に

『経済的な目的は、企業が社会的責任を免除されるべきことを意味しない。逆に、企業にとっての利益の追求が、自動的に社会的責任の推敲を意味しなければならない。企業を基盤とする社会は、個々の企業が自らの社会的意識にかかわらず、社会の目的と安定に貢献することによってのみ機能する。』(ピーター・ドラッガー著・上田惇生訳『ドラッガー365の金言』ダイヤモンド社)

構造計算書偽装とその証人喚問、ライブドアへの家宅捜索、どちらも同じ問題がその根本にある。
それは、法:ルールの位置づけのことである。

建築基準法はもとより、法と呼ばれるものは人間が作り出したものであり、人間の上に存在しすべてを統括するものではない。最低基準を指し示す、基礎でしかない。
だからこそ、人間社会は、法の上に道徳:モラルという人智による価値を蓄積してきた。
道徳:モラルというのは、一見、古くさく、堅苦しく、動きが鈍く、融通が効かない価値体系に思える。
が、しかし。
社会的責任をまっとうするために、それに代わりうる有効な手段が見あたらない現在、道徳:モラルに基づく、何らかの動機付けが必要なのだ。


法があるからそれを守っていれば何をしても良いのではない。
法の上に、より優れた高みを目指して、日々研鑽を重ねなければならない。


建築デザインにも同じことが言える。
経済効率と顧客の近視眼的満足度は最低の基準でしかない。
最低基準住宅が日本国中に溢れかえっている。
それは、量をつくらなければならなかった時代の最高の解答であった。
しかし、もうすでに、量は満たされている。


だから、僕は、10年以上前、建築を志した頃に、
デザインを、建築を究めることを目標とすることに決めた。

そして今、10年の経験を経て、それがまったく間違っていなかったとわかる。
現代において、究極を求めるからこそ、次世代に残りうる価値になる。
自分がこの社会にいなくなった後にも、何らかの形で残る建築をつくっていきたい。


[ben]
by ben_matsuno | 2006-01-18 10:02 | news/お知らせ


Natural LIFE, comfortable shelter.


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