絢香の三日月

最近の個人的ヒット。
三日月絢香

まぁ、気分的にはこんな歌詞の心境や体験は、
もう、はるか彼方。
あったかなかったか、忘れてしまうくらい年月は経ってしまったのだけれど。

曲の構成としてはAメロ(イントロ)>Bメロ(サビ)>Cメロ>Bメロ(サビ)という
定形を踏襲していて、
離れている恋人たちが共有できる空を見上げる、
というメインテーマも、おそらく(和歌に詠まれるくらい)昔からあるもので
必ずしも新規性はない。
構成やテーマに新規性はないのに(だからこそ?)ヒットする、
というところが音楽に対して興味が尽きないところ。

しいて言えば
シンコペーションの効いたサビと若干ハスキーな声色、
楽曲の一音に、歌詞のふたつの子音をあてるノリ(「三日月」の「づき」の部分)、
この辺がちょっとしたヒットのトリガーになっている。

さらに、何よりも
(って、ここから先は一般論になるのだけど)
「つながっているからねって、
がんばっているからねって、強くなるからねって」
っていう歌詞が
つながっていたいという感触、
つまり、情報は溢れているが接触感に乏しい、現代の空気感を捉まえたところが
いいんだろうなぁ。

個人的な感覚の奥深くに降りていって降りきった先から立ち上がってくる、
客観的に共有できないはずの特殊解である極個人的感触や体験を突き詰めていった先に
多くの人たちと共有できる空気みたいなものにつながることがある、つまり
個別の一回性を突き詰めたところに普遍性が立ち現れる、
というところが、少なくともポップスというジャンルでは面白い現象だと思う。

そんなことを考えつつ、
12音階という制約にも関わらず
新しいメロディを生み出す音楽と
物理的な制約の中から
新しい姿を生み出そうとする建築、
という対比に思いをはせる。

もっと根源的に言えば、
場所や敷地という、地球上で一カ所しかない極特殊的状況に密接に繋がれて成立して
技術や構法、素材、性能、機能、という普遍的な効果を求める建築も、
個別性と普遍性の交差点に生成するという点でも
建築と歌に共通の構造があるとは言えないか。

現代建築にも、現代建築と呼ばれるだけの
いくつかのトリガーがある。
そのことは、また別の機会に。

[ben]
by ben_matsuno | 2007-01-21 04:56 | 音楽と空間


Natural LIFE, comfortable shelter.


by ben_matsuno

プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る

カテゴリ

シェア居住のすすめ
辺境的中心
作品
考えたこと
ヒトとのつながり
読書の時間
音楽と空間
技術・具体
コソダチの四面体
published/掲載・放映
news/お知らせ
gallery/ギャラリー
etc.

検索

以前の記事

2014年 03月
2013年 11月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 03月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
more...

ブログパーツ

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

建築・プロダクト
住まいとくらし

画像一覧