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吉報

2001年の夏前に竣工引き渡しをした蓼科の別荘[s house]が、『コンパクト建築設計資料集成<住宅>』(日本建築学会編)に載ることになりました。

この書籍は、建築設計者および学生にとっての教科書の原本的存在です。嬉しいというよりも、ことの重みと責任を感じてしまいます。
最近になって版を更新するたびに画期的な変化を見せてきたので、その流れもあるのかもしれません。

このところ上記以外にも幾つか吉報がありました。
「勝って兜の緒を締めよ」

来年は次のステップへ向けて足下を固める年にします。<と、すでに来年の抱負を書いてしまった。

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by ben_matsuno | 2005-12-23 00:23 | 読書の時間

建築探訪_上野編その1

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昨日は子供と一日一緒に過ごした。

まずはクライアントさんに進められた「朝倉彫塑館」へ。
この建築は、近代の代表的彫刻家、朝倉文夫のアトリエ兼住居として昭和10年に竣工した。RC造のアトリエと木造数寄屋造りの住居からなる。アトリエ棟は杉板型枠のコンクリートの上に何重にも黒いつや消しの塗料(もしくはモルタル漆喰などの左官素材)が塗られており、年月を経て深みのある存在感を示している。
アトリエ内部は、高い天井脇から採光が取られており、内部の壁はすべて、おがくずが漉き込まれたような仕上げ。

数寄屋造りの住居部はうってかわって、日本家屋の寸法体系。開口部の下部は床から約350mm、建具高さは約1800mm、天井は約2400mm。これは床座を基本とする生活様式から必然的に導き出されたものである。
床に座ったときのヘッドクリアランス(頭上部にできる空間)が重要である。
この寸法を椅子座主体の現代生活に換算すると、天井高は+400mmほど必要だということがわかる。



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RC造建築の屋上には、屋上庭園がある。当時はここで大根なども栽培していたそうである。土の深さがそれほどなかったので、とれた大根はL字に曲がっていたという逸話もあるそうだ。遠くには建築家菊竹清訓氏設計の池之端ホテルが見える。



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朝倉彫塑館を後にして、谷中墓地を散策。
芸大などの脇を通って、建築家安藤忠雄氏が増改築設計をした「国際こども図書館」へ。
こどもが閲覧室で絵本を読んでいる間に、建築見学。明治39年に第一期竣工の明治ルネサンス様式の建築物本体に、ガラスボックスを付け加えてエントランスやラウンジ、カフェ、などが増築されている。図書館内部の左官仕上げの復元、既存壁面を保護するために空調が組み込まれた家具、など、改装部分は各所に及ぶ。

クラシックな建築物は独特の雰囲気をまとっていて、素直にいいものだなと最近になって思えるようになった。職人の手間の総量が、現代建築とは比べものにならないのだ。
安かろう、早かろう、の建築は次世代に残り得ないのだという認識を強く持った。



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建築を見に行ったら、是非、トイレを見て頂くことをお勧めする。トイレにまで気を配ってつくる、という姿勢が、いい建築物に共通の指標だからだ。
「国際こども図書館」でも、個人的に好きだったのは、トイレの造り。
扉や間仕切りなどが、無垢の人工大理石でできていた。マッシブ(塊的)な素材で空間を作るという安藤建築の特質がここに現れていた。



上野周辺には上記以外にもたくさんの名建築がある。
今度また、こどもと一緒に探訪してみようと思う。

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by ben_matsuno | 2005-12-11 14:33 | news/お知らせ

マリンビスト小森邦彦

昨晩は、高校時代の旧友、小森邦彦君のコンサートに出かけた。
師走の忙しい時期ではあったが、旧友の初ソロコンサートとあっては行かないわけにはいかない。ちなみに会場は建築家磯崎新氏が設計したカザルスホール。

高校時代、彼はドラマーで僕はギタリストだった。4人でジャズ・フュージョンバンドを組んで文化祭やライブハウスで演奏をしていたのが、かれこれ20年近く前ということになる。
当時から彼はメロディアスなドラムを奏でる技術と繊細な感性を持っていたのは、当時の素人耳にもわかった。そのくらいずば抜けていたから、どこかでまた出会えると思っていたら、今年の初め頃、僕のことをwebで見つけてくれて連絡をくれた。

20年の年月を経て、彼は、マリンバというクラシカルでありながら現代音楽に属する楽器のソリストになっていた。現代音楽は、少し前の現代建築にも少し似て、アカデミックな世界を追求しているだけでよいのか、何かそれを超えて拓ける道がないのか、微妙な状況にあるという。
コンサートに向けて、新しい試みをしたい、という彼の意向を聞いて、美術家の小阪淳さんを紹介したのが今年の夏前だった。

コンサートの前半は小森君ソロの真骨頂で、木製鍵盤打楽器であるマリンバの響きを堪能。
後半には小阪さんのコンピューターアートワークやバイオリニストとのコラボレーションの試みを体感することができた。
小阪さんは、映像が小森君の演奏とバッティングすることを相当悩んでいたようだったが、それは会場の制約(映像が黒縁のスクリーン上に投影せざるを得なかったこと)が主因であって、今回の試みはとても冒険的で刺激的だったし、何よりも小阪さんのアートがクラシカルなホールに引けを取ることなく、歴史的建造物の延長線上に正統的に位置していることを感じとることができ、あらためて尊敬の念を強くした。

小森君のマリンバについては以前書いたことがあるが、今回は初のソロということもあって相当力が入っていたようだ(※)。
音のことを言葉で表現するすべを今の僕は持たないので、ここでは書くことをあきらめる。

小森君のCD「Marinbist」(fontec社より発売中)、しっかりとしたオーディオシステムの真正面に座って聴くことをお勧めします。

S/Nで鳴らしてみたい音のレパートリーが、またひとつ、強烈なひとつが、増えた。


(※)このときはそう思っていたのですが、小森君のソロリサイタルは初めてではなかったそうです。僕の知識不足でした。ごめんなさい(12/8)。

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by ben_matsuno | 2005-12-08 01:40 | 音楽と空間

構造計算書偽造事件 寄稿文

寄稿が生活普段議にアップロードされました。

自分を含めて、社会全体が冷静に確実な行動をすることが求められていると思う。

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by ben_matsuno | 2005-12-05 15:03 | news/お知らせ

週末顛末

先週末は土曜、日曜、と連続でイベント続き。

土曜日は千葉大学都市環境システム学科の演習を(曜日を通常の日程とずらして)僕たちの家であり事務所である建物の1階を使って行った。
ゲストには以前から親交深い建築家原田一朗氏を招いてスライドレクチャーをして頂いた。
原田君(同じ歳、同じ月生まれ)は物事を整理するのが本当に得意で、これまでものすごいエネルギーをかけて邁進してきたFactory Projectの話しを、わかりやすく、丁寧に話してくれた。彼の整理の仕方、物事をきちんと記録し常に他者に見せられる状態にしていることは学ぶべき点が多い。これから僕たちも遅ればせながら強く心がけようと思う。
学生の提案に対するコメントも的確で、学生にとても良い刺激になったのではないかと思う。

その他、飛び入りのゲストでFactory Projectの製品を扱ってくださっているデザインショップの森さん、構造エンジニアのS氏(僕の大学自体の先輩)、グラフィックデザイナーのH夫妻、陶器メーカーのI女史、など多彩な方々が参加して下さった。みなさまありがとうございます。


明けて日曜日。
保育園の子供つながりで、親子総勢20人程の懇親会。
イタリア人のご主人による本格手打ちパスタ「オレキェッテ」。
生地を仕込んできてくれて、子供たちと一緒に小さくちぎって薄く丸める作業。
ソースはバジルソースとミートソース(名前失念:ガーリックとオイルとにんじんとタマネギと牛肉)。
その後、日本人のご主人によるお寿司登場。
どちらも、手作りですばらしい味。美味しくいただき、おなか一杯になって一日を終える。


住宅の中に開かれた場所を作ることで人が集い語らうコミュニティができる。
商業空間でもなくプライベートでもない、この不思議で楽しい空間をもっとたくさんの人が作るようになれば、よりよい社会ができていくと思う。

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by ben_matsuno | 2005-12-05 13:09 | ヒトとのつながり

Kayak

少し前になりますが、インタビューが掲載されました。

インタビューは、その場でしゃべって、校正で事実関係の客観的ミスがないかどうかをチェックすると手が離れてしまうので、上記サイト、実は今日、初めて見ました。

カヤック、ここ何年も乗ってないなぁ。
三浦半島あたりで住宅の仕事があるといいのだけど。

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by ben_matsuno | 2005-12-02 11:10 | etc.

子育てと仕事

今日の日報。
朝一から、昨晩夜遅くまでかかってまとめたI医院の内装工事見積図面を最終チェックし、サインを入れて送付。
大学の演習、インターネットの掲示板を使ったクリティックも随時しているので、サイトをチェックして書き込み。皆同じ場所で作業しているせいか、模型の作り方が似通っているのが気になる。
午後からは、M邸の構造図(木造軸組図)に取りかかる。こちらは図面作成の佳境である。

この間、かかってきた電話に対応したり、進行中の現場の様子をチェックしたり、子供の保育園の送り迎えをしたり。

子供がいることで、確かに同世代の子供がいない人たちに比べたら使える時間が少ないけれども、自分が子供だった頃、親たちに当たり前のように手厚く接してもらっていたのだから、その分を、子供を通じて恩返ししているつもりでいる。時間は決して失われたのではなく、次世代へむけて貯金されているのだ。

そう考えると、時間が少ないと嘆くのではなく、あらかじめ僕に与えられた時間をいかに有効に使えばよいか、という視点に変わる。
実際に、子供が生まれる前よりも、子供が生まれてからの方が時間の使い方、密度が圧倒的にあがっている。


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by ben_matsuno | 2005-12-01 23:21 | コソダチの四面体


Natural LIFE, comfortable shelter.


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