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silent voice/静かな声

f0003829_1142929.jpgライフアンドシェルター社としてもサポートしている、ドキュメンタリー映画製作のサイトをお知らせします。

「silent voice」


『建築家、映画をつくる』
(前略)
映画づくりに関わることになった。「色」をメインテーマにしたドキュメンタリーで、西表島を舞台に3月から撮影が始まった。ドキュメンタリーだが視覚芸術的にも感性度の高い映像詩である。全体を統括するのはP3 art and environmentの芹沢高志。監督は茂木綾子、撮影監督はウェルナー・ペンツェルという顔ぶれ。主な被写体は西表島で染織作家を営む石垣昭子氏とそのパートナーで三線奏者の石垣金星氏。フランスとドイツのプロダクションとの共同製作で、日本に「サイレント・ヴォイス」という映画のプロダクションをつくった。うちからは主に相澤がラインプロデューサーという役回りで進行や雑用全般を担う。
我々ながら「なにをやってるんだかなー」とあきれるが、映画と建築の共通点や相違点をあげて悦に入るような矮小な理由ではない。資本や経済の論理からこぼれ落ちた、もう少し神髄に近い価値、光と色、染織と糸、気候帯と植生、海と森、人と場所、命と時間。そういったものが織りなす、柔軟で強靱な美しさを伝えたいと思うからやるのだ。
新建築住宅特集2007年4月号掲載「時評」から抜粋。一部改訂)

製作のためのご寄付、ご協賛をお願いしています。

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by ben_matsuno | 2007-11-29 11:44 | news/お知らせ

【s house】『環境建築ガイドブック』

f0003829_10532047.jpg日本建築家協会環境行動委員会編の『環境建築ガイドブック』に、私たちが設計した蓼科の別荘【s house】が掲載されました。

ここで言う「環境」とは「空気温熱環境、エネルギー負荷状況」のことだが、これから建てる建築にとって(実はこれまでの建築にとっても)重要なファクター。あたりまえのようにその質を向上させる必要があるのだけど、流動する空気「環境」というものは、重力や風・地震力などを対象にする直線的な仕組みである「構造」と比べて、形に現れにくい。

北海道や避暑地など、厳しい自然環境にたつ建築こそ、いわゆる「環境建築」を牽引するフラッグシップになるポテンシャルを持っているはず。しかし、北海道からのエントリーがあまりに少ないのに驚いた。その場所にとってあたりまえのことが、違う場所にとって先進的になる、そういう横断性を認識するべきだと思う。

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by ben_matsuno | 2007-11-28 11:04 | published/掲載・放映

【塩尻の住宅】遠くの地形と切り結ぶ

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f0003829_034530.jpg先週末から今週頭にかけて【塩尻の住宅】のクライアントとの打ち合わせと現場監理。遠くに見えるのは北アルプスの山々。近くの農家の方々も工事の進捗が興味津々らしい。いまは全貌が見えないのでなおさらなんだろう。大きな地形と、小さな地形が重なって体験できる空間になるのだが。
月曜日は朝から現場で各所のチェック。基礎型枠と鉄筋配筋が進んでいます。

また、現地のプレカット工場「征矢野建材」を視察。日本でも有数のプレカット工場。金物を挟み込む構造計算可能な木構造や在来工法のプレカット加工はもちろんのこと、プレカットで出た端材を工場内で接着して間柱として再生、無垢フローリングを材料から加工・塗装まで行って製品として出荷、地元の県産材「信州赤松」の大口径の丸太を製品化したりしている。場内には300mm超の末口を持つ丸太が、それこそアルプス山脈のような山並みを形成している。大口径の材木は入手困難だとばかり思いこんでいたが、認識を新たにした。

なにより感銘を受けたのが、量をこなす仕事だけではなく、特殊加工に長けているところだ。量を供給することから質の提供へ、時代の変化を先読みして、一品生産の住宅に力を入れているという。工場内には長野県内だけではなく、たくさんの関東近郊行きのプレカット済みの材木がパッキングされて出荷を待っていた。

【塩尻の住宅】の材木も12月初旬には、ここでプレカットされる。なんと、通常一日あたり5軒分の処理能力がある加工機械を使って、【塩尻の住宅】一軒を一日かけて加工するのだそうだ。ほとんどすべて斜めにあたる柱と梁の接合部もプレカットで加工する。そのために3次元に動くカッターが使われる。

「征矢野建材」の工場社屋も、もちろん木造である。30年ほど前に、アメリカに発注してつくられた、大断面集成材の工場。1,000mmほどある梁成で、40M近いスパンを柱無しで飛ばしている。年数が経って焼けてきた集成材の深い色が美しい。

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by ben_matsuno | 2007-11-27 23:38 | 作品

柿豚と写真

昨晩は私たちの事務所の一階fooにて「柿豚料理会」でした。
柿之屋さんの柿、リバーワイルドさんの柿豚を素材として、料理人若松さん作の料理をいただく会です。

年に一回、この季節に開かれるこの会も今年で三回目。
総勢40人ほどのゲストをお招きして、夜半まで宴がくり広げられました。

主なメニュー(覚えている範囲)は下記。
・塩柿豚のパスタ
・ロースト柿豚
・その場で薫製したベーコンのカルボナーラ
・骨付きリブ柿豚の酢豚
・味噌柿豚の柿茶漬け

生産のプロセスから料理人、そしてサーブされる場所までつながっている食というものは、美味しいのです。視覚情報全盛と言われているけれど、舌が感じる味覚の多様性と選別力には深度があることを実感しました。

宴もたけなわになってきて、文筆家大竹昭子さん、編集者の赤井さんたちと写真の話をする。
「事実を起源として持ちながら、妄想でないことを根っこに持ちながら、曖昧に広がることが面白い」「インターネットで流布するイメージとしての写真と、印画紙に定着された物質としての写真との違い」「視覚刺激としてただ受け流すことと、本質的に『見ること』の違い」「誰でもシャッターを押ことができ写真をつくり出す立場に立つ可能性がありながら、容易にはたどり着けない高みがあること」
などなど。

料理と話しに夢中で、写真を撮ることを忘れました。

コーディネートして下さった江副さん
、ありがとうございます。

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by ben_matsuno | 2007-11-24 15:07 | ヒトとのつながり

動きながら書く

f0003829_23403119.jpg現場への行き帰り、電車内で原稿を書く、ということをしてみた。常磐線のボックス席にて。
これまで落ち着いた場所で、コーヒーを飲みながら、書き始めるまでの儀式なんぞをして、音楽を聴きながら、と、環境を整えないと書けないと思っていたけれど、思いの外、できてしまって不思議な気分です。

さすがに冒頭から終わりまで一気通巻して書くということはできなかったけれど、
先にメモ書きしたプロットやメモから原稿用のパーツをつくっておくことはできた。
今回の原稿の仕上げは大門の「上島珈琲店」にて、黒糖ミルク珈琲と共に仕上げた。
その場でベーコンを焼いてつくってくれるベーコンレタスサンドも美味。

珈琲店でいうと、西船橋の駅構内にある「西船珈琲研究所」もいい。薄目、濃い目、苦め、薫り高いの、いろいろ選べます。パンとチーズのグラタン仕上げみたいなのもお勧め。

自分で淹れた中では、西武百貨店で入手した「カフェ・ナ・ソンブラ」(いわゆる陰干し珈琲)がいままでの中では一番。

原稿の話しが珈琲談義になってしまいましたが、本日現場に同行されたクライアントも珈琲マニア(?)なのでした。

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by ben_matsuno | 2007-11-22 23:54 | 考えたこと

天井の発見

昨日は久しぶりに全休がとれたので、子供と一緒に上野の「国立科学博物館」へ。
一日では見きれない膨大な量の展示に改めて驚く。思えば子供の頃、恐竜の化石を初めて見たのがここだった。


f0003829_12445274.jpg日も暮れた帰り道、前川国男設計「東京文化会館」の茶廊「響」で休憩。
「響」からは「東京文化会館」のホワイエが一望でき、なかなかいい場所だ。これまで「上野桜木の住宅」の現場監理の行き帰りなどで、その前を何度も通っていたのに入らなかったのが悔やまれるほど。

ホワイエ天井にはランダムにダウンライトが取り付けられていて、星空のようである。
それ自体はよく使われる技法だけれど、天井が「黒」であることを改めて発見した。

空間心理学的には床から壁、天井と上に行くに従い明るくするのが常識だ。圧迫感を軽減する効果があるから。
しかし、黒である。天井高さがおそらく6M以上になると、常識が反転するのか?

黒い天井は、天井の存在自体が感じられない。あたかも光の点がランダムに浮かんでいるようにすら見える。ガラスに映った景色では、さらに天井の存在が消え、本物の空に人工の光が散在しているように見える。

そんな天井を発見した夕刻だった。

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by ben_matsuno | 2007-11-19 13:12 | 考えたこと

アルバイト募集_FPJ

製造業の方々とデザイナーが共同でものづくりをする「ファクトリープロジェクト」で、アルバイトを募集しています。

○作業内容:
・web製作のためのデータ整理
・photoshop, illustratorなどが扱えればOK
・webの専門知識は要しない

○期間:
11月から12月一杯程度。作業の進捗によっては1月もあり。

○場所:
東京都港区東麻布 2-28-6 ライフアンドシェルター社内

○待遇:
応相談(時給・交通費支給)

○連絡先:
ライフアンドシェルター社 松野までメールください。
ben@lifeandshelter.org

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by ben_matsuno | 2007-11-15 11:08 | etc.

横断して考える

11/6、千葉の金属工場の取材。慶応大学講義の準備。
11/7、午前中事務所で指示出しをした後、慶応建築論「地理・流通・都市・地球」について、バックミンスター・フラーのことを中心に講義。
11/8、【越谷の住宅】撮影。
11/9、進行中のプロジェクトについて、事務所内でミーティング。
11/10、午前中現地視察、午後ファクトリープロジェクト関係の打ち合わせ。
11/11、住宅特集近作訪問。小さな手作りの鉄の住宅を見学。手作りを極めると、なにものかに昇華する。なにに?成るのか、その言葉を探している。

一見、あわただしいように見える。身体は、あちらこちらを移動しているし、出会う相手、打ち合わせの相手も様々な職種や立場の方々だ。でもこのところ、一貫して考え続けている。考え続けていることが一貫している、というべきか。常に何か頭のどこかを動かしている。
あーでもない、こうでもない、こうかな?これかな?あれかもしれない、こうかんがえたらどうだ?そういえばあの現場の進捗はどうなっているか?あのプロジェクトのあそこはどういうふうにつくるか、これとこれを結びつけたらどうなるか?あれやこれや……。

一定以上の高速度で考え続けていると、肉体は疲れるが、脳の方は健全になるみたいだ。

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by ben_matsuno | 2007-11-12 18:15 | 考えたこと

【塩尻の住宅】基礎配筋

f0003829_22195738.jpg11/5は【塩尻の住宅】の現場監理。構造設計の正木さんとともに、基礎の配筋検査を行った。各所、調整を指示の後、鉄骨屋、大工、建具屋、暖炉屋、と詳細な打ち合わせ。直接対面して行う打ち合わせは効率と密度が非常に高い。こちらも「ここで結果を出そう」と思うから集中力も高まる。いくつかの寸法入りのスケッチをその場でして、デジカメで撮影した後で、原画を渡した。こうすれば現場には一番生なメッセージが残り、手元にもそれを確認するコピーが残る。我ながらうまいやり方だと思っている。これは、千葉大学で教えているときに板書をデジカメで撮ったのが始まり。

現場の職人に、二代目、三代目、など、若い人たちが目立つようになった。世代に受け継がれていく仕事のあり方はいいものである。
それにしても、現場の職人に同世代が多くなったのは、それだけ自分も歳をとったということか?職人を「若い」というが、はたして同世代の自分も「若い」のか?

まぁ、それはいい。
クライアントのご実家のすぐ脇で工事を進めており、駐車場の一角を打ち合わせスペースとしてお借りしている。ちなみに、クライアントのお母様は、笑顔がとても素敵でチャーミングなお母さんである。直接言うのはこっぱずかしいので、ここに記す。

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by ben_matsuno | 2007-11-06 08:24 | 作品

ひとりで対峙すること

11/1、【龍ヶ崎の住宅】の現場へ。
11/2、久しぶりにマリンビスト小森邦彦さんと会って渋谷の焼鳥屋で談義。焼き鳥も美味しかったが、話しも美味しい。異分野の作り手・表現者と話すのはとても面白い。
11/3、【龍ヶ崎の住宅】の現場へ。構造設計者の正木健太さんと、木造の構造チェック。彼は大学の同期でもある。各所に必要な指示をだす。設計側の意図、工務店の采配、プレカット屋の図面、建て方をする職人のやり方、最終的にまとめていく大工、それぞれの隙間をくまなく埋めて有機的につなげていくことが、現場監理の最も大切なことだ。

その後、夕方からアサヒアートフェスティバル(AAF)の報告会へ。P3の芹沢高志さんに会う。会場には建築家の峯田さんや田中友章さんもいて、お互い偶然に驚く。日常化・場所化・空間化するアートのあり方は興味深い。脳の一部の機能である「知」だけではなく、身体化した捉え方の「脳」の複数領域を「横断」して刺激することができるからだと思う。

報告会のあとは東駒形の居酒屋にて総勢50人ほどの宴会。現代社会ではまだまだすべての人が「作り手側=発信者」であると言えないけれど、そのうち多くの人々が「作り手側=発信者」になってくるだろう。基本的にアサヒアートフェスティバルに参加していた方々の打ち上げ的な会だったので、すべての人が作り手側である場の活性度を垣間見た気がした。だれもが話すべきこと、人に伝えたいことを携えてそこにいることが大切なんだ。

札幌で活動されていて、ファクトリープロジェクトでも展覧会をさせて頂いた現代芸術研究所CAIの立ち上げに関わった柴田さんの話しに感嘆した。観客がひとりの演奏会を企画した。そのとき、演奏者のモチベーションにさほどの変化がないのに対して、ひとりの観客が受けるもしくは反応する仕方が、大人数の時とまったく違い、感動の度合いが高く、感極まって涙する人が続出したのだという。

ひとりで演奏者に対峙するときの感情の溢れ、と、一回性が普遍性に接したときの感情の溢れとしての「もののあはれ」はどこかでつながっているように思える。

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by ben_matsuno | 2007-11-05 07:55 | 考えたこと


Natural LIFE, comfortable shelter.


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