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吉田木材さん、工場レポート

f0003829_1727020.jpg2年ほど前からファクトリープロジェクトで進めてきた「工場レポート」。
ようやく軌道に乗り始めました。

先にアップした福岡県田川市の漆喰材料メーカー「田川産業」さんに加え、
岐阜県不破郡の木製パネル・天板加工メーカー「吉田木材」さんのレポートをアップしました。
写真は松野撮影です。

こちらをご覧ください。

田川産業さんをご紹介くださったブンボの江副さん
吉田木材さんをご紹介くださったシステム収納家具株式会社カタオカの片岡さん、
この場を借りて御礼申し上げます。


製造業の方々のことを、もっと広く知っていただきたい、
製造業の方々が日頃何ともないと思って通り過ごしていることの中から、
デザインをする僕たちの目で、光るものを発見したい、
それによって、製造業、ひいては、そこでつくられる「もの」を使っている
僕たちの生活が、より豊かになるのではないか、と思って始めたプロジェクトです。

製造業の現場、行けば行くほど、知れば知るほど、奥行きの深い世界です。
技術だけではなく、それをつかさどる人々とお会いし、お話を聞くことは
建築設計を生業としている僕たちにとって、とても貴重な経験です。

これから月に2、3回のペースで、工場レポートをお届けできると思います。
お楽しみに。


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by ben_matsuno | 2009-02-28 16:59 | 技術・具体

『島の色 静かな声』劇場公開

茂木綾子監督作品、『島の色 静かな声』
昨年ようやく完成し、映画祭で上映されました。

今年は劇場公開が次々と決まりつつあります。
ありがたいお話です。まずは東京、渋谷で公開されますので、その情報をお知らせします。

渋谷 シネマアンジェリカ 
4月18日(土)〜5月1日(金) の2週間。

■茂木綾子監督
『島の色 静かな声』
『風にきく』
■ヴェルナー・ペンツェル監督(シネノマド)
『ステップ・アクロス・ザ・ボーダー』
『ミドル・オブ・ザ・モーメント』

4作品同時上映、茂木・ペンツェル特集です。
映画館では、初日に両監督による舞台挨拶があります。
お得な3回券(なんと3本で2700円!!)も販売されますので、映画三昧をお楽しみください。

また、4月16日(木)からは、茂木監督の写真展も渋谷で開催されます。
茂木綾子写真展『島の色 静かな声』
アダン・オハナ・ギャラリー
東京都渋谷区神山町7−8 03-5465-7577
【営業時間】
月〜土 18:00〜翌2:00
17日(金)には、監督を囲んでのトークイベントも企画しています。


この後、那覇、京都、大阪、神戸、別府とロードショーです。
こんなに劇場公開できるのは本当にうれしい!!
各種メディアでご紹介頂ける方、ぜひご一報ください!すぐに素材をお渡しできます。

少しでも多くの方に観ていただけるよう、皆様ぜひお友達にお声がけを下さい。どうぞ応援よろしくお願いします。

映画HP:http://www.silentvoice.jp/

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by ben_matsuno | 2009-02-23 12:08 | news/お知らせ

設計「監理」って?

わかりにくいと思われている、設計「監理」について。

僕たち建築設計者は、基本設計、実施設計の先に、設計監理という業務を行います。

辞書によると
「監理」:物事を監督、管理すること。取り締まること。
「管理」:1ある規準などから外れないよう、全体を統制すること。2事が円滑に運ぶよう、事務を処理し、設備などを保存維持していくこと。
3法律上、財産や施設などの現状を維持し、また、その目的にそった範囲内で利用•改良などをはかること。
と、あります。よけいにわかりにくい。おまけに「監理」の英訳がないときている。

もうひとつ、工務店などの「現場監督」がいます。「監督」もまた「取り締まること」とある。ますます混乱する。

建築の現場では、設計監理業務として
すでにできているモノを壊してでも、新しく作り直してもらうことがあります。
現場では職人がプライドを持って作業をしているので、
自分が手を下してつくったものにとても愛着と自信があるわけで
その場合の現場(施工者側)の反発はものすごいものがある。
そういうときは、こちらの意図をもう一度、しつこいくらいにお伝えして
何が間違っていて、その原因はどこにあって、なぜ直さなければならないか、
を執拗に説明します。

もう一つの場合(これが圧倒的に多数ですが)は、
例え設計図書と現場が食い違っていたとしても、
最終的な利用者・使い手・住み手にとって著しい害がないことを入念に確認した上で
間違いや食い違いを許容することがあります。
もちろん、許容しつつ、現場の時間とタイミングが許す範囲で微修正はします。
たとえBestではなくても、(それがwrongやworseにならないよう)betterを確保するために動きます。

どちらにしても、設計という「計画」を時間をかけて入念にした結果として作成された「設計図書」あってのことですが、
上記のどのくらいの位置にものごとを落ち着かせるか、という「判断」はとてもとても高度なものだと思うのです。

設計者が行う「設計監理」は、現場での職人・材料・近隣対策などの手配を段取り進行させる「現場監督」とは違って、設計図書=計画と、建物=実行との食い違いがないかどうか確認すること、
そして、上記の高度な「判断」をすること、が主な作業なのです。

判断基準の最もおおきな要素は
・「使い手の立場・利益」であり、
・デザインや計画の意図(これも最終的にはクライアントの空間の質に寄与するもの)であり、
・その後に、現場での技術的・物理的可能性、が続きます。

現場サイドの些末な都合や、つくった物に対する執着に対する配慮は最後の最後です。
なぜなら、それらが使い手の利益とは相反することが多いからです。
相反する要素を、いかに高次の次元でバランスさせることができるか、を判断するので
結果としてとても高度な判断をしているのです。

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by ben_matsuno | 2009-02-19 11:29 | 考えたこと

いまがそのタイミング

f0003829_9382153.jpg先週は様々なところへ。

伝統的な浮世絵の復刻を手がけられている工房、ウォータージェット切断の工場、軟質樹脂の加工成形工場、八王子の製造業連携グループとの会合、【葉山の住宅】の竣工写真撮影。
工場へ足を運んでいるのは、ファクトリープロジェクトの活動として、
工場レポートをしているから。
近々、新しいレポートも掲載予定です。お楽しみに。

また、事務所では、現在進めているプロジェクトの製造サイドとの打ち合わせ、慶応大学のレポート採点(120人分)、千葉大学の来期課題の作成(瞬時に!!)、確認申請書類のチェック、ディテールのスケッチなどなど、平行していくつかのプロジェクトが動いています。今日も都内ステンレス工場でレーザーカットの視察をしてきました。

世の中大不況だといわれますが、
僕らくらいの規模だと、台風が吹いていても雑草の陰には届かないように、比較的淡々と(かつ精力的な)日常が進んでいくのでした。

大きな流れとまったく無関係でいられないという風潮が大勢を占めていますが、
実のところ、個人にとってのチャンスは、それほど大局的な動向に左右されないものかもしれません。
家を建てる、という行為も同じように思います。
その人、その家族にとって、タイミングがあったときが一番のタイミング。
思い立ったそのときがタイミング。

こういうときに
小さな小屋のような別荘をたてる粋な方がいてもいいと思います。

写真は葉山の住宅のクライアントさんのところにあったオブジェ。
出かけていると、さまざまな発見があります。

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by ben_matsuno | 2009-02-16 19:38 | 考えたこと

細長いもの

f0003829_12272146.jpgこれはなんでしょう?

細長いものを設計しています。
L+S初の公共建築(?)です。

製作側と今日も打ち合わせでした。

3月末までにこの世に現れます。
さて。

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by ben_matsuno | 2009-02-10 21:29 | 考えたこと

Cat's Eye CE-280/時間

f0003829_1231729.jpgf0003829_1234114.jpgギター関連のお話のも三回目。ovation、Tacoma、ときたら次はMartin、といきたいところですが、まだ、そこには手を出していません(出せていないとも言う)。

写真上は、Cat's Eye CE-280(TOKAI楽器)。中学時代に親にせがんで買ってもらったもの。当時2万円とかそのくらいだったと思います。下は MorrisF-10。
TOKAI楽器は浜松、モリダイラ楽器は松本に製造元があり、いずれも昔からの木材の集散地です。流通と生産が産業を形づくる好例でしょう。

これらのギターのトップは、スプルースのおそらく合板。
いいギター(ovation1863、TACOMA P1など)は単板といって無垢材が使われています。薄いところで2、3ミリの厚さに無垢材を挽いていくのです。が、CE280やF10は下から数えた方が早いほどのロースペックです。
それでいて、CE280は1980年代初頭、F-10に至っては1974年製造ですから、30年前後経た今でも現役の楽器であるすばらしさ。弦を交換し、表面を磨き、劇的な環境変化を与えないこと、最小限のメンテナンスを施し続ければ、(一部の)建築よりも耐久性がある(かもしれない)。

さらに、使われている木は、ゆっくりとした時間の中で乾燥し、新品よりも音の鳴りがイイ、という事実。木は、伐採され製材され組み上げられた以降も、徐々に変化するのですね。板のエイジングによる進化、深化。
ロースペックの楽器とはいえ、我ながら(自分だけか?)ほれぼれする音。

さらにさらに、写真を見比べてボディのくびれの形状が違うのがわかるでしょうか?。CE280は「ドレッド・ノート」と呼ばれる形、F-10は「OOO型」と呼ばれる形で、ほぼ同質の素材で構成されていながら、形によって音が違うのです。(ちなみに写真には映りませんが、いずれも変則チューニングにしてあります)

趣味とは、何か。
仕事に少ししか役に立たず、費用対効果では心理的満足度しか得られないが、長く続けることで深まる個人的体験のこと、ではないでしょうか?

皆さんの趣味は何ですか?

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by ben_matsuno | 2009-02-06 11:54 | 音楽と空間

TACOMA P1 Papoose/エンジニアリング

f0003829_1522210.jpg

ギター談義の2回目。
【積層の景色】竣工後、クライアントさんが「最近お気に入り」と言って押尾コータローの「ボレロ」をかけてくれました。ギター一本でこんなに豊かな音がでることに驚愕しました。まったく関係ないですが、押尾コータローも松野と同年代です。

ひだのような壁面と、階段状の床、斜めの天井を持つ【積層の景色】もまた、いい音がするのですねー。
使っている素材は(安価な素材とはいえ)木材ですし、構成面が分散していることや空気量の多さ、平行面がないこと、床下のボイド(ウーハー的に機能している可能性がある)などから、心地よい反響音が実現されています。
「されている」と受動態で書くのは、厳密に音響設計したわけではなく、結果的にうまくいったからです。また、AVルーム的な厳格なシンメトリー・ステレオ空間でもないことはいうまでもありません。むしろ、無方向性というのか「どこからともなく音が聞こえてくる」音環境です。

それで、僕もまたギター少年の端くれとして押尾コータローにはまってしまい、「バッハベルのカノン」で使われているTacoma P1 Papooseを購入。トップはovation1863と同じシダー。バック、ネックはマホガニーです。
木の振動をより素直に出すため、トップ・バックともにライトサテンフィニッシュという、薄膜塗装仕上げになっています。一般的に施されるウレタンクリア塗装の塗膜ですら、振動に影響を与えるのですね。

TACOMAの特徴は、サウンドホールの位置、形、放射状のトップ裏のブレイシング(補強)、低音弦側が大きく高音側が細いブリッジおよびヘッドの形状、これらは、Martinという超有名ギターメーカーから独立した職人と、航空機のBoeing(なんと!)のエンジニアが協力してデザインしたものだそうです。
科学的エンジニアリングによる楽器デザイン。木という一見、科学的にばらつきのある不確定要素の多い素材を、エンジニアリング:工学がサポートしてできた一本です。

これとは別に一本一本を作品のようにつくるルシアー(楽器製作家)の世界があります。
パット・メセニーのギターを作るリンダ・マンザー/Linda Manzerの「森の中からジャズが聞こえる」を読むと、ルシアーの世界が建築家の世界にほど近いことを如実に実感できます。
・著名ルシアーに「弟子入り」する。
・ルシアーとして独立しても食べていける保証はない。
・些細な、けれども大きなチャンスがころがっていることがある。
・それをつかめるかどうかは、日々の研鑽の積み上げの先にある。
・独自の世界観と強固な意思を持ち続けなければならない……、などなど。
んーー、建築家だ。

「趣味」とは何か。
少しだけしか仕事に役に立たない、「費用対効果」でいうと最も非合理的かもしれない無駄な行為でありながら、
少なくとも本人個人の「満足度」という、もしかしたら人にとって最も充足感があり、誰もが欲している感覚を満たしてくれる、心理的に合理的な営みのこと。

その周囲には、広大で深いプロフェッショナルの森が広がっているのです。

[ben]
by ben_matsuno | 2009-02-03 10:13 | 音楽と空間


Natural LIFE, comfortable shelter.


by ben_matsuno

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