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【田園調布南の住宅】みえない箇所をつくる

f0003829_17535284.jpg8月も終わりに近づいています。【田園調布南の住宅】の現場、順調に進んでいます。写真は外壁のコーナー。外壁左官仕上げの下地が終わったところ。下地段階と比べてください。どこが変わったか、わかるかなーー???来週明けから外壁仕上げにかかります。

f0003829_1805312.jpg室内では佐藤親方が黙々と作業を進めてくれています。聞く所によると、7月後半は挫けそうになったとのこと。設計としてはそれほど複雑にしたつもりはないのですが、3次元で当たる箇所が至る所にあり、いくら作業をしても進んだ感じがしないのだと。
たしかに、下地段階の処理や作りがよくないと仕上げも良くならないし、ひいては耐久性にも影響を与えてしまうこともあります。このあたりが、佐藤親方と円徳建工、小澤さんチームのこだわり。
そうは言っても、きちんと作業をしていくと、見た目上は進捗が「みえない」。これは手を動かしてつくっている側にとってはつらいことです。僕たちも模型や図面を書いているときに、先が見えないときは滅入りがちになります。進捗が目に見えてくると、とたんに元気になる。

中の方では、3次元の線のあたる箇所の処置が終わり、壁面をつくっていく段階です。面のガイドラインとなる下地はばっちり終わっていますから、面を張っていくのは、少しだけ気が楽かもしれない。

これからは「みえる」部分の作業が着々と進みます。

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by ben_matsuno | 2009-08-28 07:50 | 作品

スケッチをするとき

f0003829_1785217.jpg最近、鉛筆(ロットリングのホルダーか、シャープペン)でスケッチをする。ボールペンも以外と表現力があって使えるけれど、消しゴムで消せないし、線の濃淡や太さの表現の幅は鉛筆が圧倒的に勝る。
一時はCAD(もしくはイラストレータ)でスケッチ的なこともしてみたけれど、画面の解像度も低いし線の濃淡もいちいち設定を変えなければならないし、ワンクッション多くなってしまう。タブレットも使えると思うけれど、外出先まで持ち出すのはこれまた面倒。
ということで、考えていることをそのまま絵にする瞬発力は、もう「手」「指」にかなうものはないと、割り切るようになった。

そうしたら、スケッチを始める前にほぼ毎回のように、自分が手を洗っていることに気がついた。
気分として「みそぎ」的な意味合いや儀式的な要素もなくはないと思いながら、いまは夏だから手も汗をかくし、なんとなくべたべたしていると気持ちが悪いので、石鹸をつけて手首から指の間まで、場合によっては肘まで、しっかりと洗う。
すると、腕から手首、手のひらから指先にいたる部位の、感度が上がるように思える。感度が上がった道具によって、かたち・意味・質感が一気に紙の上に立ち現れてくる状態は、スゴクキモチガイイ。

同じ、手・指・腕(場合によっては身体全体)を使う、ピアニストやギタリストといった音楽家も、ライブの前には手を洗うのだろうか?なんとなく、ぜひそうあってほしいと思ったりする。

手を洗うついでに、ドリップでコーヒーを入れる。かならず砂糖入り。砂糖しか入れない。
だから、僕のスケッチは、手と指と砂糖入りコーヒーからできている。

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by ben_matsuno | 2009-08-25 17:10 | 考えたこと

ものをつくりだすとき

二三ヶ月まえ、中学時代の同級生が集まった。

中学卒業以来、20年以上ぶりくらいに再会した友達もいて、それぞれに年輪を重ねているものの当時の雰囲気が残っていて、顔かたちからはしばらく思い出せなくても、話してみると、話し方の癖で思い出したりして、何が変わって何が変わらないのか、不思議な感覚になった。

中に、中学卒業後、音楽を始めた女の子がいる。ジャズ系のヴォーカルをしているのだそうだ。その友人のmixiで、中学時代音楽をしていた友達が、ミュージシャンとして活躍しているのを知った。当時、彼はRCサクセションのコピーバンドのドラムをしていた。いまでは、山にこもりながら音楽を続けていて、RCサクセションの新田耕造さんともセッションをすることがあるという。かっこいい生き方だな、と、少しだけうらやましく思った。

僕も実は、高校まではカシオペアのコピーバンドでギターをやっていて、渋谷のライブハウスを借り切ってライブをしたりしていた。でも、それを生業にしようなんて強い意志はなくて、大学に入ったらすっぱりと足を(ギターだから「手」か?)洗って建築の世界にのめり込んでいった。高校時代のバンドのドラマーは、いまプロのマリンビストである小森邦彦君。彼に再会したのはこの数年だったと思う。

何ヶ月か前だったと思うが、テレビで、佐野元春がホストで小田和正をゲストに迎えた番組をたまたま見たのをきっかけに、オフコースをもう一度、聞いたりしている。オフコースを聞いていたのは小学校時代。小田和正さんは、偶然だけど、僕の大学の同じ学科の先輩にあたる。大学院時代にはレコードデビューしていたから、建築と音楽の二足のわらじだったわけだ。
オフコースは僕が聞いている間に解散してしまったのだが、もう一人のメインメンバーだった鈴木康博さんは、表立って大ヒットを飛ばすほどではないけれど、自分の歌を作り続けている。
解散間際当時のレコーディング風景を収録したテレビ番組の映像がYouTubeにアップロードされている。完成した楽曲を聞くのも楽しいのだけど、つくっていくプロセスを見聞きするのは、また別の醍醐味がある。ものをつくるプロセスは、いつも、もやもやして、試行錯誤で、もがき続けて、もうだめかと思って、それでも考え続けて、その先にポッと、視界が開ける。それが、建築とは違う世界でも同じなのだと知れて、共感を覚える。

そういえば、中学時代にとてもおとなしかった女の子(冒頭とは別の子)は、大学で演劇の世界に入って、図書館の仕事をしながらつい最近まで、演劇の舞台に立ち続けていたそうだ。

あたりまえのことなんだけど、メジャーで売れている人たち以外のより多くの人たちがちゃんと存在していて、自分たちのこだわりを持ち続けていて、音楽やものをつくり続けているこの世界というのは、思いのほか悪い世界ではないなーと思った。

もがいている最中は、それはそれはもやもやして、どーしようもない世界なんだけど。

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by ben_matsuno | 2009-08-19 22:06 | 音楽と空間

たくさん失敗をしよう

f0003829_13241288.jpgちょっと報告遅くなりましたが、先月末、千葉大学都市環境システム学科の総合講評会に行ってきました。

僕が担当しているのは三年生の計画系。今年は、できるだけ千葉の地元に近い場所を課題対象にしようということで「花見川流域」を選びました。花見川は川下から、幕張新都心、検見川・幕張の旧市街、花見川区の谷津を含む田園地帯と、異なる地相を流れる一級河川です。

都市環境システム学科では、建築物の設計だけではない、より広い視野で都市および人々の生活を考えるというプログラムを行っています。

今年の三年生は例年以上に熱心に取り組んでくれ、広域のマスタープランから1/200スケールの建築設計まで、前期を通じてレベルの高い提案をつくっていました。
演習課題では、エスキースという、課題制作過程でのアドバイスを繰り返すのですが、多かったのが「どういうことをしたらいいのかわからないんですが、何かアドバイスを。」という質問。
いやいや、大事なのは「君たちが何をしたいか、どういうふうに生活の環境を良くしていきたいか」ということであって、その内容を僕がアドバイスしては何のトレーニングにもならないだろう。
まあ、まだ学生で実際の都市(人々が集まって生活すること)や、建築空間、そしてリアルな生活、人間の曖昧さ、みたいなものに対する経験が少ないのはいたしかたないとして、現状に対する不足感や強烈な愛着なんかがないのかな?僕が学生の頃は不足感・不満だらけだったけれど。

不平不満ばかりで前に進めないのもよくないとも思うけど、安全な道、確率の高いこと、間違いのないこと、無駄のないこと、なんかに吸着していってしまう傾向を感じます。特に千葉大。もっと、無駄でどうしようもなくてあっち行ったりこっちいったり迷ったり、徹底した間違いにまみれてみたり、うまくいかなかったり、という経験が、学生時代には大切ではないか?
同時に担当している理科大(工学部)の方が、もう少しやんちゃな雰囲気を持っている。中には、グループワークの人間関係がうまくいかず提出できなかったグループもあったけれど、それはそれで「偉大なる失敗」だから、学んだことは大きいと思う。(理科大の総合講評会には、体調の都合で出席できなくてゴメン>理科大の学生諸君。事務所に課題を持ってきてくれたらあらためて見るよ。)

この辺のことを、時代が違う、というふうに皮相的に捉えちゃうとよくないと思うんだな。最近はとみに、本質は時代に左右されない、というふうに思うようになりました、私。

写真は、千葉大二年生の課題。幕張の巨大な街区模型をつくって、小さな提案がちりばめられています。こういう、一見無駄に見えるようなことが、実は後から効いてくるんだな。

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by ben_matsuno | 2009-08-11 13:25 | 考えたこと

A haus from 青森

f0003829_1138973.jpg青森の建築・デザイン誌「A haus(アーハウス)」に、living plusのアクリルプロダクト製品が掲載されました。全7ページ、これまでで最大規模ではないだろうか。素直に嬉しい。

「A haus」掲載号の特集は「雪国の集合住宅を考える」。このほかにも「青森の公営集合住宅の歴史と現状」「コンパクトシティにおける集合住宅の真の役割」「ル・コルビュジェvs.レンゾ・ピアノ 世界遺産候補ロンシャンをめぐる論争(特別寄稿)」など、地に足の着いた記事が充実しています。その他の書き手も質がいい。少なくとも書きなぐり的な、煽るような書き方の記事はありません。
この雑誌、約半年に一度くらいのペースで刊行されています。昔、「A」という雑誌の編集・企画をしていたときにも思ったけれど、そもそも毎月(毎週)特集を組むというのは至難の業で(それをするために編集部をグループ分けしたりする)、季刊でもようやっと。継続性とまとまりのある情報発信のためには、三ヶ月に一度がぎりぎりだと思います。

もはや地方だからといって、情報の質にほとんど差はなく、「生活のための建築・デザイン」を考えるには地方もまたいい環境なのではないか、と思いました。


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by ben_matsuno | 2009-08-06 11:46 | published/掲載・放映


Natural LIFE, comfortable shelter.


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