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昭和モダン建築

来る2/10(土)ジュンク堂池袋店にてフリックスタジオの磯達雄さんと日経アーキテクチュアの宮沢洋さんのトークセッションがあります。

『昭和モダン建物巡礼/西日本編』(日経BP社)の出版記念です。

お二方とは、吉阪隆正+U研究室設計の八王子セミナーハウスの時にご一緒させて頂いて
とても有意義な時間を過ごさせて頂いたことがあります。

昭和の建築は、独特の濃さ・コクがあって、いい。
それはもしかしたら、
日本の経済の勢いとか
人々の夢の潤いとか
そういうものが醸成してきたんじゃないかと思う。


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# by ben_matsuno | 2007-02-05 13:04 | news/お知らせ

ふたつの<景色/クオリアと建築>について

新建築住宅特集0702
ふたつの別荘が掲載されました。

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ふたつの<景色/クオリアと建築>について

森の中、木々の梢が切れてぽっかりと空いた場所に日光が差し込む。樹木ごしにちらちらと遠方の風景が垣間見える。届く視線の長さは、夏には生い茂る葉によって短くなり、冬は幹と枝の間を縫って長く延びる。
人がそこにいて感じ取ることができるなにものか、そのとき脳内に生成している質感のようなもの、それをクオリアと呼ぶ。建築の設計を依頼する人たちは、おそらく、建築物そのものが欲しいのではなく、そこで行うことができる行為や時間、そしてその場所で得られるであろうクオリアを求めて建築を依頼する。
とは言っても「棒を一本立てたらそこが舞台である」といった価値の飛躍にはそれなりの脳内労力が必要だし、そもそもいろいろなしがらみや日々のストレスから離れて、身体的にも精神的にも負荷が少ない時間と場所を持ちたいからこそ、別荘という建築を作るのである。
精神が宿った肉体=物質である人の時間と場所をつくるために、イメージするクオリアに屋根をかけ、床をつくり、壁を立てる。屋根をどのように保持するか、そのときの壁のサイズ、配置の方法、壁への開口部の開け方、などに腐心するわけである。

(中略)

<クオリアの純度と豊かさ>
脳内の質感であるクオリアを建築物によって支えていくとき、屋根や壁といった物がクオリアの純度を減らすことになってはいけない。むしろあらかじめ想起されたクオリアをより鮮明に強調し、自然物だけでは生み出せない、人の意志と営為と自然環境が組み合わさった「もう一つの景色」を生み出すことになったらいいのだと思う。つまり建築がなかった時よりもできた後の方が、その場所で得られるクオリアが豊かになること。そのときに、あらかじめその場所にありこちらの意志で主体的にコントロールできない諸物たち(日光や山の位置、雨や風の動向、敷地外の樹木の配置や隣の家の壁の色など)と、意志に従って作りあげるべき建物、それらが総体として組織化された状態を「建築」と呼びたい。
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詳細は新建築住宅特集2月号にて。
同じ号に「とうめいのかたち展」の展覧会レポートも掲載されています。

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クオリアに関しては、茂木健一郎さんの書籍をご覧下さい。
# by ben_matsuno | 2007-02-01 01:47 | 考えたこと

oxymoron/オクシモロン

INAXのセミナールームで行われた
佐々木睦朗さんの講演会に行ってきた。
佐々木さんのことをご存じない方に簡単に説明しておくと、
日本を代表する構造家で、仙台メディアテークなどの構造設計をした方です。

「Morphogenesis of FLUX structure」などの空間構造生成について
近年の仕事を通して説明して下さった。

自由曲面は、もうどんな形態でも解析できてしまって、なんだか面白みがないと思った。
それはおそらく佐々木さん側に原因があるのではなくて
その形を提案する建築家の側に問題があるのだと思う。

自由曲面を数理解析できるようにしたのは
構造家の佐々木さんの大いなる仕事ではあるのだが、
それとは別に、
初期値=何を思いつくか、
収斂値=何のために、
という部分に、本来の創造性が宿っている。

形態としてならば、かつて吉阪隆正も八王子セミナーハウスの松下館で実現している。
その当時、パーソナルコンピュータがない時代に実現したことのほうが
歓びは大きいように思える。

でも
岐阜の型枠の裏側は素直に美しいと思った。
リブは3Dデータからの切り出して、
直交方向にはベニヤを補足短冊切りにして重ねて
自然な曲がりを利用して、曲面をつくっている。
アルテピアッツァ美唄の体育館を思い起こさせた。

アトリエ天工人の山下保博さんも来ていて、懇親会では佐々木さんも交えて、しばし歓談。
興味深かったのは、
佐々木さんがハーバードや海外で講演した際に
「日本的だ」というとらえ方をされた、という点。

寛容的なロジック、
曖昧さのコントロール、
柔らかいものを柔らかいままに固定する方法、
非確定的確定性、
非決定的決定性、
そういう要素が日本的だと
評される理由だと思った。

その他にも、佐々木さん衝撃の発言などもあったのだけど
割愛。

そう言えば、先日(1/26)の日経新聞「私の履歴書」でも
江崎玲於奈さんが書いていた。
すばらしい発明、発見が生まれる環境、に必要なのは
「組織された混沌」
だという。

懇親会の後は、本屋で
『考える人』最新号・小津安二郎特集を購入して読む。
「『もののあわれ』に関する小津安二郎の発言」があるはずなのだが
いまだ発見できず。
養老孟司さんのコラム(というか論文だなぁ)『万物流転』にはまる。


[ben]

オクシモロンについてはここにも記述あり。
ユーモアが効いていて感心するのは、eternal life, military intelligence, sincere politician.

消える建築、負ける建築、見えない建築、なんていうのは
たちの悪い方のオクシモロンである。
# by ben_matsuno | 2007-01-31 13:03 | 読書の時間

冬のオープンデスク募集

今年の冬もオープンデスク/インターンシップを募集します。

作業内容は、模型製作、図面修正、書類整理など。
交通費・食事支給。
時間・期間、応相談。
作業の継続性を考えて、少なくとも二週間以上連続して来られることが望ましいです。
希望者は、希望する期間、使えるOS、アプリケーションなどを書いた履歴書を送って下さい。

担当:水谷まで
mail:mz@lifeandshelter.org

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# by ben_matsuno | 2007-01-30 11:33 | news/お知らせ

汎用技術の組み合わせ/iPhone

ちまたで噂になっているiPhone。
友人は「携帯として使えなくてもいいからホシイ!!」と言った。
僕も同感。

技術とデザインについて考えさせられた。
iPhoneに使われている技術のほとんどは先端技術ではない。
ハードディスクや液晶モニタ、タッチセンサー、プロセッサ。
これらは「既にあるもの」で、それぞれ単体に目新しさはまったくと言っていいほど、ない。

「汎用技術の組み合わせ」を使って
<何を指向するのか><何を獲得するためにつくるのか>
便利さなのか、機能なのか、嬉しさなのか、楽しさなのか、簡単さなのか、
その辺が、とっても大切なんだと思う。

昨今の建設・不動産業界(もしかしたら社会全体も?)でも、そのことが欠けていないか。
金儲けのための投資とか、販売のためのマンション建設とか、
経済行為自体は本来、手段だと思うのだが、
目的化されてしまっていて、その先のビジョンを語る言葉を聞くことは稀だ。

<何のために>という議論をしようと思う。

[ben]


こちらもご参考あれ。
あえて所帯染みてみる。
# by ben_matsuno | 2007-01-24 13:25 | 技術・具体


Natural LIFE, comfortable shelter.


by ben_matsuno

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